ゴルフクラブのシャフトの硬さとは?自分に合ったシャフトを選ぶポイントを解説

初心者

ゴルフクラブはヘッド、シャフト、グリップの3つを組み合わせてできています。なかでもシャフトには硬さがあり、最適な硬さを選ぶと飛距離が伸びたり方向性が安定したりするため重要です。

今回は、ゴルフクラブのシャフトの硬さや、シャフトを選ぶ際の注目ポイントを解説します。

ゴルフクラブのシャフトとは

まずは、ゴルフクラブのシャフトの基本情報を確認しましょう。シャフトはメーカーや商品によって使用感が大きく異なる場合もあり、ヘッドやグリップと同様に自分に合ったものを選ぶことが求められます。

シャフトとは

シャフトとは、ヘッドとグリップをつなぐ棒状の部分です。「棒の部分はどんなものでもよい」と思われる人もいるかもしれませんが、シャフトのしなりや重さ、硬さなどがスイングの安定性を大きく左右することもあります。

シャフトは大きく、純正シャフトとカスタムシャフトに分けられます。

純正シャフト

純正シャフトは、ヘッドメーカーのオリジナルのシャフトです。ゴルフショップなどで売られている大手メーカーのゴルフクラブには、純正シャフトが使用されています。最近は、大手メーカーがシャフトメーカーに純正シャフトの製造を依頼する、OEMも多くあります。

純正シャフトは、そのヘッドをベースに開発されているため、誰でも使いやすいような設計がメリットです。また、カスタムシャフトよりも安価で、コスパがよいのも利点だといえます。一方で、個々のスイングに合った設計ではないので、純正シャフトのなかから「100%しっくりくる」というものを見つけるのは難しいかもしれません。

カスタムシャフト

カスタムシャフトは、カスタムクラブ(地クラブ)同様、シャフトづくりを専門とするオリジナルのシャフトです。カスタムシャフトの代表的なメーカー、いわゆる「大手シャフトメーカー」には、フジクラ・三菱ケミカル・グラファイトデザイン・UST MAMIYAなどがあります。

純正シャフトより価格が高く、膨大な種類から自分に合ったものを選ばなければいけませんが、それぞれに特性が大きく異なるカスタムシャフトは、スイングに合った最適なものと出会いやすいのが魅力です

ちなみに、純正シャフトとカスタムシャフトのほか「純正カスタム」というシャフトも存在します。これは、カスタムシャフトメーカーのなかで、大手メーカーがおすすめする製品を指します。

ゴルフクラブのシャフトの硬さ(フレックス)は1つじゃない!

ゴルフクラブのシャフトには、柔らかめのもの、硬めのものといった「硬さ」があります。硬さは「フレックス」ともいい、ヘッドスピードに応じて選ぶのが一般的です。

ここからは、シャフトの硬さがもたらす影響や、それぞれの硬さの特徴を解説します。

シャフトが硬い・柔らかいとどんな影響がある?

シャフトのフレックスが硬い場合のメリットは、方向性がよくなることです。一方、硬めのシャフトは飛距離が出にくい傾向にあります。柔らかめのシャフトはこの反対で、飛距離は出やすいものの、方向性が安定しないのが特徴です。

硬さの段階はありますが、硬いか柔らかいかは「振り手の感じ方」で決まります。最も柔らかいシャフトでも、しなり戻りがぴったりならば、その人に合っているといえます。

なかにはフジクラのAIR SPEEDERやUST MAMIYAのMagical ATTASのように、シャフトによっては硬さが1種類しかないものもあり、これを「ワンフレックス」といいます。硬さを細かく選択する必要がないワンフレックスは、しっくりくればシャフト選びが楽なのがメリットです。

Xフレックス

Xは「extra stiff(エキストラスティッフ)」の略で、最も硬いシャフトです。さらに硬い「XX(ダブルエックス)」「XXX(トリプルエックス)」の存在するモデルもあります。男性向けで、ヘッドスピードの目安は46~50m/秒です。

Sフレックス

Sは「stiff(スティッフ)」の略で、Xフレックスの次に硬いシャフトです。ヘッドスピードが速く(目安は43m/秒)、体力に自信のある人に向いているもので、こちらも男性向けだといえます。モデルによっては、Sより硬く、Xよりやわらかい「SX」というフレックスもあります。

SRフレックス

SRフレックスはSフレックスとRフレックスのあいだの硬さのシャフトです。ヘッドスピードの目安は40m/秒で、やはり男性の使用に向いています。Sでは硬すぎるが、Rだと柔らかすぎるように感じるという人が使用します。

Rフレックス

Rは「regular(レギュラー)」の略で、ヘッドスピードの目安は37m/秒。X・S・R・A・Lの5つのフレックスの中間の硬さです。男性用が多いですが、最近はLフレックスやAフレックスで物足りないという女性のために、ダンロップのXXIO(ゼクシオ)や三菱ケミカルのELDIOなどには、女性用のRフレックスシャフトも存在します。しかし、男性用と比べると女性用のRフレックスは少ないです。

Aフレックス

Aは「average(アベレージ)」の略で、基本的には女性用モデルに使用します。Rよりも柔らかく、ヘッドスピードが34m/秒と、少し力のある女性向けです。

Lフレックス

Lは「ladies(レディース)」の略で、もっとも柔らかいシャフトです。ヘッドスピードが30m/秒と、一般的な女性向けとなっています。レディースのゴルフクラブセットなどに入っているクラブのシャフトは、多くがLフレックスです。

【ゴルフクラブのシャフト】最適な硬さを選ぶための注目ポイント

ゴルフクラブのシャフトの硬さは大きく5段階ですが、SRやSXなど、細かく分かれていることもあります。自分に合った硬さの見極めポイントは、力の強さとヘッドスピードです。

力の強さ

力のある人ほど、硬いシャフトが向いているといえます。一般的な硬さは女性がL、男性がRですが、力のある女性はAや女性用のR、男性はSのように、少し硬めのものを選ぶとしっくりくることが多いです。Xはハードヒッター向きで、硬さの段階がないワンフレックスは力の有無にかかわらず、合っていると思えば使用をおすすめします。

ヘッドスピード

各フレックスの解説でも触れましたが、硬さを決める際はヘッドスピードも目安にします。ドライバーの参考ヘッドスピードは、以下の通りです。

  • S:43m/秒
  • SR:40m/秒
  • R:37m/秒
  • A:34m/秒
  • L:30m/秒

しかし、ヘッドスピードが34m/秒の女性がAフレックスのシャフトを選ぶと、目安をギリギリクリアしていることになり、ベストな力を発揮できないこともあるので、1つ下の硬さを選ぶのが一般的です。なかには、ラウンドに行くと力が入ってしまい、ショップでは「ちょっと硬いかな」と感じるものを選んだほうが、スコアがよくなる人もいます。

また、夏と冬でもヘッドスピードは異なり、冬は寒さで体が硬直し、着込んだ服でヘッドスピードが落ちやすいです。さらに同じフレックスでも、メーカーによって硬さは変わってくるので、迷ったらショップの人に相談するのがおすすめです。また、購入前にはフィッティングをして、実際に振ってみた感覚を確かめることも、忘れてはいけません。

初心者が選ぶ際のポイントは?

初心者がシャフトを選ぶ場合は、硬めよりも柔らかめのほうがおすすめです。迷ったら女性はL、男性はRと、一般的なフレックスを選択しましょう。

【ゴルフクラブのシャフト】硬さ以外にもここをチェック!

ゴルフクラブのシャフトは硬さに注目することも大切ですが、ベストなシャフト選びのためには、ほかにも注目したい点がいくつかあります。

重さ

ドライバーの場合、軽いものは20g代、重いものだと80g代と、シャフトによって重さの幅があります。パワーがあるのに軽すぎるシャフトを選ぶとスイングが不安定になりますし、反対にパワーに見合わない重すぎるシャフトだと、振り切るのが大変です。

硬さだけでなく、自分のパワーに合った重さのものを選ぶことも、よりよいスイング実現のために欠かせません。

素材

シャフトの素材は大きくカーボンとスチール(金属)があり、ドライバーは比較的軽量なカーボン素材のものが多いです。ウェッジやアイアンなどにはスチールが使用されます。カーボン素材のシャフトは繊維を何層にも巻いて作られており、使用するカーボンの種類や繊維の重なり方などで、価格が大きく変動します。最近は、カーボンとスチールの複合素材で作ったシャフトも増えています。

長さ

シャフトは長いほど飛距離が出やすい傾向にありますが、一方で球を捉えにくいというデメリットも生じます。短いシャフトは球を捉えやすいですが、長いものと比べると飛距離が出にくいです。初心者の場合は、ミート率の高い短めのシャフトを選ぶとよいでしょう。中級・上級者も、初心者と同様の基準で選んで問題ありません。

キックポイント

キックポイントとは、シャフトのどの部分がいちばんしなるかを示すものです。「調子」という場合もあります。キックポイントは、ヘッド側がしなる「先調子」、中間がしなる「中調子」、グリップ側がしなる「手元調子」の大きく3つに分けられます。

先調子は手元が硬く先端が柔らかいので、打ち出し角が上がり、飛距離が出やすいです。中調子は手元も先端も硬くしなりの癖がないので、安定感あるスイングを実現しやすいといえます。手元調子は手元が柔らかく先端が硬いのが特徴で、ボールが上がりづらいので上級者やフックする人に向いています。

トルク

トルクは、シャフトのねじれ度合いを表す数値です。シャフトを一定の力でねじった際に、どれくらいねじれるかという角度を表し、数値が大きいほどねじれ度合いが多くなります。硬いシャフトのほうがトルクは小さくなる傾向にあり、トルクが3.5以下と少なければ、コントロールがしやすくなります。しかし、手元の些細な動きに反応しやすいため、初心者はミスが増える可能性があります。

手元の些細な動きに反応しにくい、トルクが3.5以上のシャフトは、ボールをつかまえやすくショットに安定性が出るのがメリットです。初心者やヘッドスピードが遅めの人は、トルクが大きいシャフトを選ぶとよいでしょう。

シャフト選びも、ゴルフショップウィザードにお任せください!

ゴルフクラブのシャフトの硬さ(フレックス)は段階があり、同じフレックスを表していても、メーカーによって硬さが異なります。最適な硬さは、ヘッドスピードや自身の力の強さなどを参考に選びましょう。

自分に合ったシャフトを選ぶ場合は、硬さのほかにも重さや素材、長さ、キックポイント、トルクなどに注目する必要があります。ゴルフショップウィザードでは、熟練のスタッフがシャフト選びのお手伝いもいたします。また、お手持ちのクラブでよりよいスコアを出したい、スイングを改善したいという方のお悩み解決をサポートするインドアレッスンも行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

ライター:永野 栄里子

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