ゴルフのスコアを大きく左右するパターは、ドライバーなどと比べるとあまり派手なショットではないものの非常に重要です。パターの正しい打ち方を覚え、効率的な練習をすれば、スコアアップの近道になる可能性があります。
今回は、パターの打ち方と練習方法を解説します。
パターがゴルフのスコアに与える影響
一般的な基準打数(Par72)でラウンドを終えるには、パターの打数がカギとなります。パット数はスコアの約40%を占めるので、非常に重要です。
ロング・ミドル・ショート、どのホールでも、パターは2ストローク分含まれています。つまり、パターの打数が増えれば、基準打数を大きく超えてしまいます。
ラウンドで使用できるゴルフクラブは14本ですが、そのうちパター1本が担う役割は大きいです。自分に合ったクラブを選ぶことはもちろん、ただしい打ち方を練習して定着させることも、スコアアップには欠かせないでしょう。
【パターの打ち方】ゴルフクラブの握り方は3種類
パターの打ち方は1人ひとりの感覚による部分も大きく、「こうすれば必ず入る」という正しい打ち方は、厳密には存在しないといえます。しかし、カップまでの距離感をつかみ、ボールをコントロールするためには、以下の3点を抑えておく必要があります。
- 握り方
- 構え方
- 振り方
まずは、パターの3つの握り方(グリップ)を確認しましょう。
逆オーバーラッピング
逆オーバーラッピングは、左手の人差し指を右手の小指に重ねる握り方です。レギュラーハンドグリップとも呼ばれます。できるだけ両手を密着させるように持つのもポイントです。逆オーバーラッピングで握ると左の手首が固定されるだけでなく、右手首の余計な動きもなくなり、安定したスイングをしやすくなります。
クロスハンド
クロスハンドは左右の手を反対にして握る方法です。右利きの人は右手を下、左手を上にしてクラブを握るのが通常の握り方ですが、クロスハンドは右手が上、左手が下になります。指を重ねる、絡めるといった決まりはなく、左右を反対にしていれば握りやすい形にして構いません。クロスハンドは手首をより固定できるので、ストロークの軌道が安定しやすくなります。
クロウグリップ
クロウグリップは、右手の形に特徴がある握り方です。左手は逆オーバーラッピングのように握り、その下に右手を添えます。右手は親指と人差し指でV字を作るようにして、そのあいだにグリップを挟むような形です。手首や指先に余計な力が入りにくく、まっすぐに狙った方向に打ち出せる握り方ですが、慣れるのに時間がかかる人が多いといえます。
【パターの打ち方】ゴルフクラブの構え方
パターの打ち方のポイント2つ目は、クラブの構え方(アドレス)です。構える際には以下の5点を意識しましょう。
- カップと球を結ぶ線(ターゲットライン)を見つける
- クラブのフェースをカップに向ける
- 足や肩はターゲットラインと平行にする
- 球は両足の中央、もしくはやや外側にセットする
- 球のロゴやラインをチェックする
カップと球を結ぶまっすぐな線を見つけると、構える向きも決まってきます。クラブのフェースはカップに向くようにし、体はターゲットラインと平行になるように構えます。球がカップに近い場所にあると、右肩が前に出て平行を保てない、顔がカップのほうを向きすぎてしまうといった構えになってしまうので、球は両足の中央、もしくは少し外側になるようセットしましょう。
最近はラインが入った球もあるので、ラインを活用してフェースや体の向きをチェックするのも、よりよい構えにする方法の1つです。ラインがない場合はロゴを目印にしたり、自分でラインを書くアイテム(ラインマーカー)を使って書き入れたりするのもおすすめです。
打つ際のポイントは?
最後に打ち方(スイング)のポイントです。パターは繊細なコントロールが求められますが、インパクトでスイングを弱めると、ミスショットをしやすくなります。次のようなイメージで打つと、理想の弾道に近づけるでしょう。
ほうきで掃くようなイメージで打つ
ほうきで掃除をするときには、乱暴に掃くとホコリが舞ってしまいますよね。ホコリを集めるときには静かに押し出すように掃く人が多いでしょうが、パターもそのようなイメージで、なめらかでゆっくりとしたスイングを意識しましょう。特に、ロングパットのように距離感が重要なシーンで、役に立ちます。
フェースにしっかり当てて打つ
勢いよく打つと、球が想像以上に遠くまで行ってしまいますが、おそるおそる打つと前述の通りミスショットの原因になります。「カツン」と軽く音がするぐらいフェースにしっかり当てて打つことは、方向性を出すのにつながります。
ほうきで掃くようなイメージで打つことで距離感を、フェースにしっかり当てて打つことで方向性をカバーできるので、ぜひ2つのイメージを大切に練習してみてください。
パターの正しい打ち方を定着させるための練習法
パターの打ち方の基本を効率的に定着させるなら、練習方法にも工夫を凝らしましょう。おすすめの練習法は、3つあります。
ペットボトルを使って素振りをする
手首などの余計な動きを制御するためには、ペットボトルを使った素振りが有効です。2リットルのペットボトルに半分ほど水を入れ、パッティングをイメージして両手で持って左右に振ってみてください。このとき、手首などを使ってしまっていると、ペットボトルのなかの水が激しく動きます。
パターに適した動きをしていれば、なかの水は左右に振られても安定します。肩を使って左右に振ることを意識して素振りを繰り返すと、安定した軌道を出す力が身につきます。
クラブを脇に挟んで素振りをする
ゴルフクラブを横向きにして両脇で挟み、二の腕で固定しながら素振りをするのも練習法の1つです。この状態でパターのクラブを握ってスイングすると、両脇が固定されているので腕を使いすぎずに振れます。
素振りの際は体の力を抜き、肩が上がらないようにしましょう。繰り返し練習すると細かな動きが抑制され、安定したパッティングにつながります。
グリーン上で練習する際のポイント
ラウンドに行ったら、ゴルフ場のグリーンの状態の確認もかねたパター練習をしましょう。「これくらいの力で打つと、どこまで転がるか」を把握しておけば、ボールコントロールがしやすくなり、スコアアップにつながります。
グリーンではただカップに入れるよりも、距離感を身につける練習がおすすめです。グリーンエッジから5メートルほど離れた場所から、狙った場所で止められるように打つのを繰り返すと、各ホールでも役立つでしょう。
ウィザードのインドアスクールで、パターの打ち方や練習法を身につけよう!
さまざまなゴルフクラブのなかでも、スコアへの影響が特に大きいものの1つがパターです。パターは打ち方に正解がないともいわれていますが、初心者は基本の握り方・構え方・打ち方を身につけると、スコアアップはもちろん、より自分に合った打ち方を早く見つけられます。効率的な練習で、ぜひパターを極めてください。
ゴルフショップウィザードのインドアスクールでも、レッスンプロによるパターの打ち方練習を実施しています。天候に左右されないインドアレッスンは、暑い夏も寒い冬も快適です。併設店舗では、ゴルフクラブに関するご相談にも対応していますので、お気軽にご相談ください。
ライター:永野 栄里子
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