ゴルフクラブの長さに決まりはある?最適な長さの選び方も解説

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ゴルフクラブには複数の種類があり、役割や機能が異なります。しかし、クラブによる長さの違いは、非常に大きいわけではありません。ゴルフクラブに長さには、どのような決まりが存在するのでしょうか。

今回は、ゴルフクラブの長さについて解説します。規定や測り方に加え、自分に合った長さの決め方とその効果についても触れていますので、よりよいスコアを目指す際の参考になれば幸いです。

ゴルフクラブの長さの規定

ゴルフクラブの長さには規定があります。まずは、クラブの長さの決まりについて、測り方や影響と併せて確認しましょう。

長さ制限と一般的なクラブの長さ

公益財団法人 日本ゴルフ協会によると、「ゴルフクラブの全長は18インチ(457.2mm)以上でなければならず、パターを除いては48インチ(1,219.2mm)を超えてはなりません」という決まりがあります。つまり、パター以外のゴルフクラブは短いもので約45cm、長い場合は約121cmまでに長さを納めなければなりません。

パターは18インチ以上であれば問題なく、プロの試合でも非常に長いパターを使っている選手がときどき見られます。長さの上限はないものの、2016年からはパターを体の一部に固定する「アンカリング」という技法が禁止となっています。アンカリングを行わなければ、長尺・中尺のパターを使っても違反にはなりません。

ゴルフクラブの長さはどう測る?

ゴルフクラブの長さを測る方法は、「ヒールエンド法」と「60度測定法」の、大きく2種類です。それぞれどのように測定するのか、詳しく解説します。

ヒールエンド法

ヒールエンドからグリップエンドまでを測定する方法です。測定は簡単にできますが、最近のヘッドはソールが丸みを帯びすぎているため、ヒールエンドがあいまいになっているケースも少なくありません。このようなクラブ場合、ヒールエンド法では測り方が難しくなります。

60度測定法

60°の面にソールを当てて、水平線と60度の面の延長線が交差したポイントから、グリップエンドまでを測定します。ヒールエンド法の「あいまいさ」を改善するために、2004年にレングスの基準として正式に採用されました。

公式のルールでは、「60度測定法」が認められています。しかし、製品情報に記載されている長さの測定方法は、メーカーによって異なります。

ゴルフクラブの長さが与える影響

ゴルフクラブの長さには規定がありますが、ゴルフのプレーに具体的にどのような影響を与えるのでしょうか。

ゴルフクラブの長さは、主にヘッドスピードとミート率に影響します。シャフトが長いと、ヘッドスピードが速くなります。1インチ長くなると、ヘッドスピードは1m/秒速くなるといわれていますが、長さがあるぶん重量も増してバランスに影響するので、逆にスイングスピードが低下することもあります。

一般的に、シャフトが長いとヘッドスピードは上がりますが、ミート率は下がります。長いシャフトはスイング時の操作が難しくなり、安定性が欠けるからです。

特に飛距離が重視されるドライバーも、「長ければ長いほどよい」というわけではないので注意しましょう。

ゴルフクラブの最適な長さの決め方と効果

ゴルフクラブの長さは規定内であれば自由に選択できますが、最適な長さはどのように決定すればよいのでしょうか。自分に合った長さのクラブを使用する効果とともに、解説します。

理想的なクラブの長さ

前述の通り、ゴルフクラブの長さは約45cmから約121cmのあいだという決まりがありますが、非常に短い、もしくは長いクラブを使用しているケースはあまり多くありません。ドライバーの場合、45~46インチぐらいのものが一般的とされており、クラブの多くはこのあいだの長さになっています。

日本で販売されているゴルフクラブの多くは、「身長174cm」「手の高さ88cm」に合わせて作られており、170cm前後の人は一般的なクラブの長さで問題なく使用できます。この基準から大きく外れる場合は、ショップなどで自分に合ったクラブの長さを把握し、調整してもらう必要があるでしょう。

手の高さはどう測定する?

「手の高さ」といわれてもピンとこない人も多いかもしれませんが、測定方法は簡単です。まず、肩を水平にしてまっすぐに立ちます。両腕を自然に下ろし、床から左手の手首のしわ部分までの高さを測定します。利き手が左の場合は、右手首のしわまでの高さを測ってください。

測定の際は、ゴルフシューズを履くのがおすすめです。素足で測るときは、2~3cmプラスすると、ゴルフシューズを履いたときの手の高さになります。

最適な長さのゴルフクラブによる効果

自分に合った長さのゴルフクラブを使用すると、飛距離や操作性がアップします。前述の通り、長いクラブは飛距離アップが期待できますが、長さがあるぶん操作性に欠けてしまい、ミスショットが増える可能性があります。長さが最適であれば、しっかりとクラブを操作してミート率をアップしながら、クラブが持つ最大限の力を発揮して、飛距離アップや正しい方向へのショットを実現できます。

しかし、「最適な長さ」に身長は大きく影響しません。極端に身長が高い、もしくは低い場合を除いて、多くの人は一般的な長さのゴルフクラブで問題なく使用できるでしょう。身長によって変えたいのは、長さよりも、次で説明する「ライ角」です。

ゴルフクラブの長さは「ライ角」にも注目しよう

自分に合ったゴルフクラブを選ぶなら、クラブのライ角を重視しましょう。ライ角とは、ゴルフクラブのソール部分を地面に置いた際にできる、シャフトと地面のあいだの角度です。ライ角は、身長などによってどのように選べばよいのでしょうか。

身長によるライ角の変化

ゴルフクラブの長さは、地面からの手の高さが短いほど短め、長いほど長めのものを選ぶとよいとされています。しかし、シャフトの長さよりもライ角で調整するほうがクラブの持つ力を発揮しやすいです。

身長が高い場合は、大きいライ角のクラブを使用しましょう。反対に、身長が低めの人はライ角が小さくなるようにすると、スコアが伸びやすいです。

ライ角の選び方

自分に合ったライ角の基準は、「構えたときにクラブの底面がぴったり地面につくこと」です。身長による目安もありますが、手の長さや構え方によっても長さが変わってくるので、ショップで相談しながら選ぶとよいでしょう。

ライ角の重要度は、クラブの種類によって異なります。ウッドやユーティリティなどは、ライ角を気にしすぎなくても問題ありませんが、アイアンはライ角をしっかり確認してからの購入がおすすめです。

クラブの長さに迷ったら、ゴルフショップウィザードにご相談を

ゴルフクラブの長さの規定は18インチ(457.2mm)以上で、パターを除いては48インチ(1,219.2mm)を超えてはいけません。一般的なクラブの長さは身長170cm前後を基準に設定されていますが、身長が極端に高い・低い場合を除いては、長さに細かくこだわる必要はないといえます。

飛距離やミート率をアップさせるなら、長さよりもライ角に注目したクラブ選びがおすすめです。構えを基準に最適なライ角のクラブを選択し、よりよいプレーを実現しましょう。

ゴルフショップウィザードでも、お客様1人ひとりに合ったクラブ選びをお手伝いしています。「長さを調節したい」「自分に合った長さのクラブが知りたい」といったご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

ライター:永野栄里子

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