ゴルフクラブの長さは何に影響する?測り方や規定なども確認!

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ゴルフを長く続けていると、「長いクラブ」「短いクラブ」と、ゴルフクラブの長さについて言及するシーンも少なくありませんが、ゴルフクラブの長さはどのように測るのが正しいのでしょうか。

今回は、ゴルフクラブの長さの測り方を解説します。長さが与える影響や身長との関係性にも触れていますので、ぜひご一読ください。

ゴルフクラブの長さは何に影響する?

ゴルフクラブの長さが影響するのは、飛距離やミート率、バランスなどです。クラブの長さによってどのような違いがあるのかを、見てみましょう。

飛距離

ゴルフクラブの長さが長ければ、飛距離が伸びます。さまざまなクラブを想像してみると、「ドライバーは長い」「9番アイアンは短い」と、飛距離との相関性が理解できるのではないでしょうか。ちなみに、長さは0.5インチ変わると、飛距離に2~3ヤードの誤差が生じるともいわれているので、クラブ選びの際には長さも重視しなければなりません。

ミート率

ゴルフのミート率は、ボールスピードをヘッドスピードで割った数値で、芯でしっかりと打てているかどうかを表しています。アマチュアドルファーのドライバーのミート率は、1.3~1.4ほどで、プロゴルファーは1.5程度です。

長さのあるゴルフクラブは飛距離が出ますが、スイングの操作性は落ちてしまいます。長いクラブはミート率が下がる原因となってしまうこともあるため、注意が必要です。

バランス

バランスとは、クラブの総重量に対するヘッドの重さを示したもので、「振りやすさの指標」ともいわれています。バランスは「A0」から「E9」まで存在し、基準となるのは中間の「D0」です。

長いクラブはそのぶん重量が増しますし、同じ重量でもヘッドの重さの感じ方が変わってくるので、バランスにも影響します。バランスのよくないクラブは、スイングスピードの低下などを招く可能性があります。長いクラブを使用する場合は、ヘッドやシャフトの重量を減らすなどして、バランスをとることも大切です。

ゴルフクラブのバランスは、メーカーのカタログやサイトで確認できます。また、ゴルフショップに持ち込めばバランス測定器で計測もしてもらえるので、調べてもわからない場合は持ち込んでみるとよいでしょう。

ゴルフクラブの長さの測り方は2種類

ゴルフクラブの長さは、見た目からも長短を判断できますが、正しい計測法もあります。長さの測り方は、「ヒールエンド法」と「60度法」の2種類です。

ヒールエンド法

ヒールエンド法は、ヒールエンドからグリップエンドまでの長さを測定する方法です。ヒールエンドとはシャフト軸線(中心線)とソールが交わる点部分で、そこからグリップのいちばん上までの長さを測ります。

60度法よりも簡単ですが、ヒールエンドがどこにあるかわからないと、正しく計測できないのが難点です。特に、最近はヘッドの大型化によってヒールエンドの位置を把握しにくくなっています。ソール面に丸みがありすぎるゴルフクラブは、ヒールエンド法よりも60度法のほうが、正確な長さが測れるのでおすすめです。

60度法

60度法は、2004年にレングスの基準として正式採用された測定方法です。その名の通り、60度の面にソールを当て、水平面と60度の面の延長線が交差したところから、グリップエンドまでを計測します。ヒールエンド法ではあいまいになってしまうクラブも、60度法なら正確な測定が可能です。

ゴルフクラブの長さにルールはある?

練習場やゴルフコース、テレビの試合などを見ていると、いろいろな長さのクラブを使っているケースもあります。極端に長い、短いクラブはなかなか見かけませんが、クラブの長さに規定はあるのでしょうか。

公益財団法人 日本ゴルフ協会によると、「クラブの全長は18インチ(457.2mm)以上でなければならず、パターを除いては48インチ(1,219.2mm)を超えてはなりません」とされています。2021年には、全米ゴルフ協会とR&Aが、「プロゴルフ及びトップアマチュアの公式競技におけるクラブの長さを46インチ以下(パターを除く)に制限するモデルルール」を発表し、2022年1月より、各大会やツアーなどがローカルルールとして採用できるようになりました。

ちなみに、パターは18インチ以上という規定はあるものの、上限は定められていないので、ルール上はどれだけ長くても問題がないといえます。ただし、2016年1月より体の一部を支点とする「アンカリング」という打ち方を規制するルールができたため、長いパターを使う選手は、ルールに則った打ち方で使用しています。

身長によってゴルフクラブの長さを変えるべき?

ゴルフクラブの長さに関する疑問の1つに、「そもそも、何を基準として定めた長さなのか」というものがあります。ゴルフクラブの長さの基準は身長で、170cm前後の人に合わせた設計になっています。

では、身長が170cmよりも極端に高い、もしくは低い人は、ゴルフクラブの長さを変えるべきなのでしょうか。

長さはあまり気にしなくてよい

「170cm前後」が基準なので、±5cm、165~175cmくらいの人は、ゴルフクラブの長さに細かくこだわる必要はないでしょう。標準的な長さのクラブを選べば、失敗する可能性は低いといえます。

もし基準となる170cmよりも極端に身長が高い場合、身長にぴったり合うクラブを探すのは困難です。前述の通り、ゴルフクラブの長さには規定があるので、「標準より長め」のクラブはあっても、「身長に合わせた長さのクラブ」は実現できません。逆も然りで、クラブの長さは下限も決まっているので、「身長が非常に低いから」と、極端に短くするのは現実的ではないでしょう。

ゴルフクラブそのものの長さを調整しなくても、グリップを握る位置によって多少の長短はつけられます。長め、もしくは短めに持つだけでも、同じクラブを自分に合った長さで使いこなせるので試してみてください。

注目するのは「ライ角」

多少長くしたり短くしたりはできるものの、どの人も身長に合わせた長さのゴルフクラブに調整するのは、ルール上難しいといえます。170cm前後以外の身長の人も自分に合ったクラブを選ぶときに注目したいのは、「ライ角」です。

構えたときに、クラブの底面が地面にぴったりとつくようなライ角のものを選びましょう。身長が高い人はライ角を大きくすると、同じ長さのクラブでも使いやすくなります。身長が低い人も、ライ角を細かく調整すると、長さを気にしなくて済みます。

ライ角の合わないクラブは使い続けるとクセがついてしまい、スコアアップの妨げになる可能性もあります。標準的な身長の人も、「スイングがしっくりこない」「ミスが直らない」などと感じる場合は、ショップなどで経験豊富なスタッフによるチェックや調整をしてもらうとよいでしょう。

ゴルフショップウィザードでは、クラブの長さ調整のご相談も承っています

ゴルフクラブの長さは「ヒールエンド法」と「60度法」の2種類の方法で測定できます。飛距離やミート率、バランスなどに影響するクラブの長さは、「18インチ以上、48インチ未満(パターを除く)」というルールがあり、極端に長い、もしくは短いクラブでのプレーはできません。身長に合ったクラブを検討する場合は、長さではなくライ角に注目し、最適なものを選びましょう。

ゴルフショップウィザードでは、クラブの長さに関するご相談も承っております。「長さを調整してみたい」「スイングに合った長さのシャフトが欲しい」など、どのようなお悩みにも誠心誠意ご対応いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

ライター:永野栄里子

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